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2009年8月 4日 (火曜日)

富士山パワー

 2年連続で富士山に行って来ました。梅雨明けしたのに雨が降り続いている。前回はご来光、頂上到達ときっちり富士山を堪能できましたが、今回は試練の富士山です。車で五合目まで登ると雨。そこでキノコそばを食べながら、富士山サミットです、登るべきか登らぬべきか。三人で行ったのですが、私以外は初めての富士山なので、やはり何が何でも登りたいと言う。雨もいくらか小降りになったので、出発することにしました。

 登り始めて一時間ほどでに雨はやみました。ああ、これこそ富士ブッダの慈悲でこざいましょう。レインコートは蒸れるので、体力をがんがん削ります。そのせいでしょう、ペースがスローダウン。とうとう七合目でIさんがギブアップ。急遽予定より下の山小屋に泊まることになりました。下山時に合流しようと約束して、私とHさんの二人は予約しておいた目的の八合目山小屋へ向かいます。なにごとも計画通りには行かないもの、ひきこもり人生と同じですな。

 30分遅れで1日目の目的地の山小屋に到着。そこでご来光を見ようというわけです。日の出は4時40分。それまで少しでも寝ておかないと、狭い山小屋でどれだけ寝れるかが頂上へ登れるかの鍵になります。私が朝、目が覚めた時は5時50分でした。卒倒しました。寝過ごしたじゃないか。一緒に登っているHさんになんで起こしてくれなかったか尋ねると、雨で何も見えなかったので起こさずに寝かしてくれたという。外に出るとびっくりするくらいの風と雨。台風を思わす大荒れの天気でした。ご来光どころか、なんの景色も見えない、しかも寒い。

 これは下山だなと思ったのですが、山小屋の人に聞くとあと一時間ほどすれば雨はやむというのです。ならば八合目まで登ってみようかと、出発を一時間遅らせ雨がやむのをまって、強風の中を歩き始めました。勇気ある撤退なんて凡夫にできる技ではありません。せっかく来たからもったいないのケチ根性で頂上を目指します。八合目で風は弱くなりましが、また雨が振り出しました。Hさんと私で話し合った結果、次の山小屋、八合目五勺まで登ることにしました。雨と霧、景色はまったくありません。これじゃ駅の階段を登っているのと変わらないのでは、そんな気持ちにもなります。

 雨も強くなってきました、九合目を前に最後の決断です。これから先は頂上まで山小屋はない。どっちにするか、二人の意見は一致しました。「頂上で死のう」、ひきこもり武士の悲壮な覚悟であります。そこからは記憶がありません。登る人はほとんどいない、がらがらの登山道をバイオハザードのゾンビのように歩き続けました。そして頂上。景色は一切なし。噴火口も霧で見えず。山小屋で食べた味噌ラーメンはインスタントで不味かった。頂上はすごい風で吹き飛ばされるんじゃないかと思ったよ。なんだろう、悪い意味で心打つ思い出ばかりです。体から湯気が出るほど寒く、遭難する人の気持ちが分かった。山小屋の人から霧が深いから登山道を下ったほうがいいとアドバイスを貰ったのですが、あんなまずいラーメンを食わすやつの意見を聞きたくなかったので、普通に下山道を行きました。霧はあるが、道が見えなくなるほどでもない。歩きやすい下山道を選ぶことによって体力をちょっとでも温存したかったのです。

 下山は苦行の道でした。人生は苦だというブッダの教えが心に響く。人生の本質は下山にあり。自分一人の力で下山できる人だけが、真に自立した人間なのですな。富士山登頂

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コメント

最悪の天候で残念でしたね。
でもそれがかえって強烈な体験として、
長く記憶に残るのかもしれませんね。
まあとにかく無事に下山できてなによりです。
お疲れ様でした。

投稿: おぶろもふ主義者 | 2009年8月 5日 (水曜日) 15時59分

「楽しい、楽しい、あーこの旅は完璧だった。」と云う旅より「苦行」が続く旅の方が色あせないのは何故でしょうね。

わたくしも以前「レイブ」なるものに参加したのですが、強烈に脳裏に残っているのは、初めての爆音に泣きそうになった事や、お目当てのDJの場所へ移動したら、有名DJは早々と終わっており、知らないおデブちゃんの黒人を永遠にききながら「まだかな?まだかな?」と待っていた事です。

しかし、今振り返ってみるとその時の風景や人の顔を思い出し、よかったなと思えます。
「苦行」は時間が経ってから楽しむものなのでしょう。

投稿: 寂聴 | 2009年8月 5日 (水曜日) 22時20分

ここまで天気が悪いと一生の思い出です。
無事こそすべてですなあ。

生きることは苦であるとブッダも言っております。
苦味がきいているほど、味わいも増すのでしょう。

投稿: 勝山実 | 2009年8月 6日 (木曜日) 22時49分

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