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2007年8月 1日 (水曜日)

ひきこもりドッペルゲンガー

 奴と出会って15年。いつも図書館にいやがって。ブックオフの105円均一コーナーに住んでるのかお前は。いがみ合いつつ、避けあいつつ。奴が働いていないことはお見通し。鏡か。

 ひきこもりが100万人いればご近所に一人くらいいるはずさ。自分以外にも一人くらいいるはずさ。奴との出会いは15年前の図書館。日のあたらない哲学・思想コーナーでよく出くわした。奴と出会うたびにボクは哲学という学問を恥じ、読書なんて人生の何の役に立たないんだと絶望した。奴を避けるようにボクは図書館ではコンピューターの本ばかり読むようになった。奴と一緒に同じコーナーに居たら人間がだめになってしまう気がした。奴もそう思っていただろう。

 ブックオフに行ってびくっとした。奴だ、奴がいた。105円均一コーナーの本棚にぴたとへばりついている。無職の貧乏人が小銭を握り締めて、古本をじっとりとながめていやがる。数分前の自分、いや数分後の未来の自分か、の姿を見せつけられるような不愉快さ。奴も気づいたようだった。すうーっとボクから離れていく、「距離をとれ」と奴からのテレパシーが聞こえたような気がした。お互いに店内で、でく逢わさぬよう対角線上にポジションを取る。まるで同じチームで何年もプレイしている一流サッカー選手のような見事な連携だった。奴もボクを見てああはなりたくない、あんな風になったらおしまいと見下しているのではないか。

 奴から学んだことは、無職は隠せないということ。無職のオーラはすごい。職安のあの雰囲気が、歩く職安、全身から溢れているんだ。

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